円錐形を保つ

銀杏散る荒ぶる神の庭にかな
銀杏散り山寺いよよ寂びゆける
黄落のゼブラゾーンの轍かな

初瀬の素戔嗚尊神社の銀杏が遠くからでも見える。

与喜山の麓にある社の境内を埋めるように落ち葉が敷く。
大木であり、かつ大枝を四方に延ばしているので、太い幹を中心に同心円を描くように散るのである。通常、銀杏の大木ともなると途中で折れたりして樹形を保つものは少ないのだが、ここの銀杏は円錐形の姿が見事である。
この銀杏の黄色は長谷寺の舞台からもはっきりとよく見えるので、お詣りした後はどうしても足を向けたくなる。訪れる人もまばらで大銀杏の黄落を独り占めできるのも、またぜいたくなものである。
陰暦10月、神さまが留守とあって、ひとり大銀杏が留守を守っているかのようだ。

“円錐形を保つ” への2件の返信

  1. きれいな円錐形をしている木は珍しいですね。
    あちこち不揃いに枝を伸ばしている大木はよく見かけますけどね。
    神さまが出雲へお出かけの留守を託された銀杏をあの舞台から眺めてみたいものです。

    今の時期の黄色と言えば銀杏とメタセコイア、同じ黄色系でも色は全く異なりますね。
    メタセコイアは茶系ですが銀杏の黄色は純粋、神が宿っているのかもね。

    1. 神社には銀杏がよく似合います。
      今までで印象深いのは、東京では根津神社、当地で有名なのは一言主さんの乳銀杏。
      古い学校の銀杏もいいものです。明治からあるような学校では、遠くからでも良く見通せる銀杏の大木がシンボルになってます。はっとするような黄色が鮮やかです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください