色失えど金は金

十六夜の坂の下なる大仏殿

寧楽坂を降りてくると真っ先に大仏殿の大屋根が目に飛び込む。

深い松林のなかに、屋根の部分だけがぽっかり浮かぶように見えるのだ。
三笠山、春日山の影にあるから、十六夜の月が顔を出すのはさらに遅れて、その月が東大寺を照らす自分はそれなりの高きにあって、東大寺の地苑をいやが応にも明るく照らす。
銀色にかがやく大屋根の鴟尾も色こそ失えど輝きは銀に蒔けない。
昨日は無月だったので、今夜こそじっくり眺めてみたいものだ。

“色失えど金は金” への4件の返信

  1. 心配された中秋の名月も夕方からお天気が回復し楽しめました。
    昨夜の満月は澄んでいてさらに美しかったです。

    昼間珍しくオニヤンマを見つけましたが今頃が時期だったかしら?

    MGC五輪をかけたマラソン、三重県一志中学出身で吉田沙保里の後輩、岩出玲亜を応援しましたが結果は前田と鈴木に、高橋尚子さんの予想が的中でした。

    1. 男子でも三重出身の選手が頑張ってましたね。
      それにしても、気温30度しかもアスファルトの上で2時間以上よく走れるものです。来年はもっと暑い時候ですからほんとに大丈夫?と思ってしまいます。

  2. “寧楽坂を降りてくると真っ先に大仏殿の大屋根が目に飛び込む。”

    句とは関係のないことで恐縮ですが:
    寧楽坂?
    寧楽荘とか寧楽美術館はありますが、寧楽”坂”ってどこに?
    この解説から察するに、寧楽(ねいらく)を(なら)と読み、奈良坂
    の事を指されているんですか?

    1. 「なら」を当てるのに「寧楽」「平城」などがあります。
      万葉集などには「寧楽」の字がよく当てられるようです。
      奈良坂は歴史の大事件にもたびたび登場してきた京への道。壬申の乱、仲麻呂の乱、重衡の南都焼き打ちなどなかなか賑やかな坂です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください