野遊びや薄紅引ける仏さま
天王山古墳の探検のあと、忍阪の集落に下る。
ここは神武東征の際、現地勢力の抵抗があったとされ神武が楯としたと伝わる岩などが残されている古い土地だ。
最初に着いたのが石位寺で、白鳳時代作と伝わる薬師三尊石仏(重文)が「さあ、どうぞ」と言わんばかりに我々一行を待っていてくだすった。というのも、この仏さんは常時公開されてるわけではなく拝観するには事前に連絡が必要で、この日のために地区の町おこしプロジェクト「TEAM忍阪」を代表して、区長さん(写真マイクをもっている)自らがこのあとも各所を案内くださるなど、準備万端整えていただいたおかげだったのだ。
仏さんは大変保存状態がいい。というのは、かつて全体を黒漆で保護し、要所要所が金箔だったことや、おそらく屋内保存の期間が長かったことなどが要因である。一説には、額田王女の念持仏だったということだが、真偽のほどは分からない。
山口誓子の詠んだ「雨蛙黒き仏の宙に鳴く」の「黒き仏」というのはこの仏さんが漆塗りだったことを言ってるのではないだろうか。
いずれにしても、忍阪に興味をもたれた方には先に紹介したTEAM忍阪のホームページが大変よくできているので一読をおすすめする。
TEAM忍阪拝見しました。おっさかと読むのですね。
石仏さまの法衣をまとった柔らかな表情が印象的でした。
画像からわずかに薄紅色の唇も窺うこともできまことに「文に麗はし」がぴったりです。
「あやにうるぐはし」。いい歌を作りましたね。現地でTEAM忍阪の情熱をひしひし感じました。
TEAM忍阪、見せていただきました。素晴らしいですね。こういうHP沢山あるのでしょうがやはりコンテンツの濃さが違いますね。コンテンツに厚みがないといくら作成者に情熱はあっても薄っぺらいものしか作れません。桜井市はいいとこですね。
地域に溶け込み地元の皆さんと交流できるっていいですよ。遠足みたいで楽しそうですね。
刑部(おさかべ)といえば津高の辺りも昔、刑部と言いましたよね。懐かしいです。
自分たちの集落(という言い方がぴったりするような場所です)に対する愛着、そしてそれを多くの人に知ってもらいたいという情熱のなせる技ですね。市の関係者も陰に陽に応援していることを感じます。
次回は香具山周辺の磐余のみち、飛鳥京という「王道」を歩く会だそうです。足腰鍛えて参加しなくちゃ。なによりいい吟行のチャンスですし。