紀ノ川となりゆく水の秋の暮
どうしても吉野宮滝離宮があったという跡を見たくて車を走らせた。
台風の後とあって吉野川はささ濁りで水量も多いようだった。
時間がなかったので今日は名所・宮滝だけを見て返ろうと思っていたが、両岸が山に囲まれたこんな狭い場所に家も並んで宮といっても跡形もないだろうに思うのだった。かつてはこの上流に「柴橋」と呼ばれる木の橋が架かっていたそうだが、今では正面に鉄橋ができているので対岸にわたると、象(きさ)山と三船山の間を流れて吉野川に注ぐ「象の小川」がある。この渓流は水も澄んでいかにも秋の水といった風情である。
その奥にそば畑があるよという看板があったので狭い道を上ってゆくと、桜木神社、そしていよいよ吉野山へ通じる東海自然歩道登り口で車は通行止めになっていた。結局、そば畑もみつからないまま引き返すことにした。
吉野川沿いの国道169号、吉野神宮あたりの川幅が随分広くなってきたあたりでは夕日を入れた川面がまぶしいほどで、河原の芒の穂がきらきらと光るのだった。
土手の両側には芒が風になびいて秋らしい風景をみせてくれます。
台風18号は雨が少なかったせいか川はさほど増水していない。
ふと高台から北の方を見ると御嶽山がくっきり。しかも噴煙を上げているではありませんか。
その右側には恵那山がどんとそびえ西側には御在所が。
今秋シーズン一番の秋晴れでした。
そして今は東の空に煌々とお月さま。
明日は皆既月食が見られるかもね。
これで何も起こらなければこの上なく素晴らしい秋なのに・・・
久しぶりに澄んだ空気だったんですね。今までは屈託なく眺められた山の景色も複雑なものがあることでしょう。
今日はいい天気、次はいつ見られるかもしれない皆既月食を楽しみましょう。
そうか、吉野川は紀ノ川になるんですか。地形的に飛鳥の方へ行ってるのかと思ってました。
何と言っても吉野は古代から天皇・貴族ら権力者の隠遁地・隠れ家的イメージが強いですね。それだけに色々な遺跡があるのでしょうね。フアンにはたまらない場所なんでしょう。
このあたりは書きたいことがいっぱいあってとてもブログでは語り尽くせないところなんですが、こんな奥地の狭いところが歴史の舞台にたびたび現れてるんだとはほんとに信じられません。
日本列島を中央構造体というのが東西に貫いていますが、吉野川はこの線に沿っている川で奈良盆地へは流れません。昔から大和では吉野川の水が喉から手が出るくらいほしかった川で、近年、ダムなどができていくらかは盆地側にももらえるようになったということです。