春を呼ぶ?

人波にしたがい山焼き見て帰る

生まれて初めて若草山焼きを間近に見てきた。

どこがビューポイントか分からないので、とりあえず近鉄奈良駅に出て人波についていくことにする。
降りたらすぐうまい具合に、いかにも使い慣れたカメラと三脚を担ぐ人がいたので後を追ったが人混みで見失ってしまう。
結局、登大路にもどってまっすぐ若草山に向かうことにしたが、ほどなくおおぜいの人が幕開けを待っている広場があるので、ここで一部始終を見届けることになった。
始まりは予定を少し遅れて花火から。
鹿をモチーフにしたものが上がったりしてほのぼのとする。
15分ほど花火を楽しんだあと、いよいよ点火だ。
今日は無風に近い状態なので、裾から燃え上がった炎がゆっくりと輪を縮めるように丘の上に向かっていく。
しばらく見届けたのち広場をあとにした。

ところで、歳時記では「山焼き」は春になっている。
若草山焼きはかつては1月15日、今は1月第4土曜日に行われるので、正真正銘冬なのであるが。

“春を呼ぶ?” への2件の返信

  1. 若草山の山焼き、、ブログアップありがとうございます。ニュースの映像で見るより生々しく臨場感があって、、、、ええなあぁ~~と思います。時季的にもっと後(少なくともお水取りよりも)と思ってましたが、こんな真冬にやるんですね。びっくりしました。

    今週末は寒かった。でも昨日はテニス、今日はゴルフと頑張りました(いやあ、、今日の河川敷は大変だった、自虐感なきにしもあらずであった)。いっぱい書きたいことあるんだけど、頭はともかく身体が言うことをきかないんで、簡単に。。

    1.若草山と言えば当然、伊勢物語の第一段、若姉妹を覗き見る場面。
       「春日野の若紫の摺衣 しのぶの乱れ限り知られず」
      源氏物語で光源氏が北山で若紫を見つける場面はここからきているというのが定説。
       
    2.伊勢物語第一段で上記の歌の次に出てくるのが、
       「みちのくのしのぶもぢ摺りたれゆゑに 乱れそめにし我ならなくに」
      これは源融の歌(百人一首No.14)。源融は賜姓源氏で光源氏のモデルの一人と目される人物。有名な河原院の所有者。

    3.栄華を極めた河原院もその後荒廃し、よからぬ噂も立つようになった。その落ちぶれた様を詠んだのが、
       「八重葎茂れる宿の寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり」(恵慶法師)(百人一首No47)

    4.この荒廃した河原院をモデルにしたのが源氏物語第4帖「夕顔」で夕顔が物の怪に取り殺される場面。当時、何某の院と言えば皆、あっ、河原院だなってピンと来たらしい。(この場面、物語中ベストテンに入る名場面→ボクの勝手だが)

    5.2.で詠まれた歌枕(福島市)を訪ねて奥の細道で芭蕉が詠んだのが、
      「早苗とる 手もとや昔 しのぶ摺り」 → 時は初夏、「夏は来ぬ」の世界

    色々とつながってるんですね。。。じゃあ、まだまだ寒いようだけど、元気でね。。

    1. 三茶宗匠の王朝文学への造詣の深さといったら。
      これだけ深読みができると、同じものを見ても一般人とはまったく違う面なども見えるんでしょうねえ。
      モジヅルは庭にもあります。本当に身をもじるように伸びていくんですよ。

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