配達の氷痩せゆく大暑かな
切り氷を配達するシーンはもう見られない。
製氷庫から切り出された氷の板を麻布にくるみ、リヤカーやら運搬自転車に載せて、一軒一軒の氷型冷蔵庫に配達する氷屋さんだ。
たいていの客先は一日一貫の切り氷で間に合うので、麻にくるんだ氷の板をその場で一貫目に割って納める。それには、鋸を使うわけだが、全部を鋸でひいていては無駄がでるし時間もかかるので、ちょいと角に筋目を入れそこへ鋸の背をぐいと押し当てると見事にぱかんと氷が割れる。これを急いで冷蔵庫に納めるわけだ。
氷型冷蔵庫は昭和30年代の中頃まではあったと思うが、電気冷蔵庫の普及で一般家庭からも姿を消し、それとともに製氷業界も大きく変わったと思われる。
少年の頃、マイ自転車が欲しくて、一夏を氷屋さんでアルバイトをしたことがある。運搬車に氷8貫目ほどをを積んでよろよろと各戸を回るのだが、受け持ちエリアは昔から花街があったところで、朝のお姐さんのはっとする姿を垣間見ることもあった。
首尾よく手に入れた自転車は、輸出用のウグイス色の細身ボディで軽量スポーティタイプ、タイヤも腹が白い細身で当時としてはなかなかの洒落ものだ。通学もこれで通したが、その後あれはどうしたのだろうか、今となってはさっぱり思い出すことはできない。
氷やさんでアルバイトしただけあって詳しいですね。
一貫目がどのくらいかちょっと想像できないのですがあの直方体の一塊が一貫目かな?と・・・
商売屋さんの氷型冷蔵庫は記憶にあります。
厳めしいデザインが懐かしいです。
京都では行列のできるかき氷屋さんがあるとか。
梅雨が明ければかき氷の時期ですね。
今日は一年の半分が過ぎて折り返し点
拾遺集の古歌
水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶといふなり
一貫=3.75kgでしたか。縦横12,3センチ、長さ30センチくらいだったでしょうか。炎暑で滴るやつを素早くお客さんの冷蔵庫に納めます。
盆地を逆手にとって、「暑い奈良で氷はいかが」キャンペーンでも打ったらと思うのですが。
今日は夏越の祓ですね。形代に息吹きかけ邪気を流し、この歌を唱えながら茅輪をくぐる神事が各地で行われます。
氷売り、懐かしい風景を思い出させていただきました。
えらい重労働のアルバイトしたんですねぇ。でも憧れのものをキチンと手に入れるってとこは大したもんです。大人びてたんですね。
一夏で3千円。日当にすると100円か150円くらいでしたか。残りは、輸出入の商売している叔父が買ってくれたようなものです。
花街の女将さんは総じてきむずかしく、もたもたしてるとよく叱られたっけ。