殯の叫び

二上山の闇夜に尖る虎落笛

すさまじい風である。

車体ごと持って行かれるような風にしぜんハンドルをしっかり握ろうとする意識が高まる。
昼前頃からだんだん強くなってフロンドウィンドウを枯葉だのポリ袋だのが叩きつける。夕方にはもう飛ばされるものはおおかた飛んでしまって、フロントガラスを叩くものはすっかりなくなったくらいだ。
飛鳥の小原の里では竹林の孟宗が45度くらいにまでしなって、すさまじい轟音をたてる。対面に見える二上はいつもより山容がすっきりと見えて、この虎落笛は皇子が眠る山への「もがり」の叫びでもあるようだ。
下校中の中学生らが雨が止んでいても傘を広げて自転車を漕いでいるのを見た。どうやら、傘を帆に見立てて風に押してもらおうというらしい。いかにもこの年頃の子なら考えそうな遊びである。
今夜までまだしばらくはこの風は収まらないようである。

2 Replies to “殯の叫び”

  1. 当地も強風で交通機関が乱れたり40数年ぶりの高温だったりでニュースになりました。
    私は外出を控えていたのでさほど感じなかったのですが太陽が出なかったので室内はそれほど暖かさを感じなかったです。

    殯と言えば河瀨直美監督の「殯の森」が思い浮かび、さらに古代、万葉集、奈良と次々とおぼろげなるイメージだけが先行し言葉では表現しにくいです。
    二上山、大津皇子もイメージ的には「殯」にぴったりのような気がします。

    1. 現代では皇室、それも天皇、皇后レベルの方でないと見られない形式ですが、巷ではいわゆる忌中、喪中の習慣として残っているのでしょう。
      昨日はたまたま書紀読書会で、敏達の殯宮での出来事などが話題になりました。物部と曽我の仏教国教化争いなどをめぐる話などがメインで、次回は聖徳太子がテーマとか。万葉集読書会と多くのメンバーが重なり、平日昼間とあってお年寄りばっかりの生涯教育一貫という様相です。

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