生気ある白

白無垢の芙蓉の底のうすみどり
白芙蓉の白にまされる白はなし
うつろへど生気帯ぶまま夕芙蓉
白きこと芙蓉の白に極まれる
酔芙蓉古刹の院の奥にかな
芙蓉花古刹の庭の半ば占め
多武峰真東なる芙蓉かな
跼まる芙蓉のよべのゑひしこと
ゆくりなく君に遇うたり白芙蓉
おのづから君らふたけて白芙蓉
健次忌の日輪さやに花芙蓉
風さやに寺門吹きぬけ白芙蓉
白芙蓉撫でて寺門の風さやに

類句にあるかもしれない。

さは然りながら、この吸い込まれるように純度100%の生気を帯びてなお純粋な白。また、それに顔を近づけて、底に薄緑色を見つけたときの感動は、何としても表現しないではおけない衝動に駆られるのである。

この時期に飛鳥を訪ねるのであれば、橘寺の芙蓉は絶対見逃せない。白芙蓉、紅芙蓉、酔芙蓉。どれもが手入れゆきとどき気持ちよく拝見することができる。何度来ても、拝観料350円惜しんではもったいない。

ご批判承知で詠んでみた。

補)写真は、iPhoneのホワイトバランスが崩れていて、緑がかっている。やっぱり、ちゃんとしたカメラで撮ってあげないと失礼だな。

補)やはり類句であった。

白芙蓉の白きより白きは無し 虚子

完敗です。

“生気ある白” への5件の返信

  1. なめらかに白く輝く芙蓉、その花芯の薄黄緑。
    本当に吸い込まれるような美しさです。

    橘寺は行ったことがありませんがこんなに美しい芙蓉が見られるのなら一度は訪ねてみたいですね。

    1. 八月末から九月下旬頃まで。中旬から稲渕の彼岸花が始まりますから、飛鳥は20日頃が見頃かもしれません。
      また、どうぞ。

  2. あれから二年経ちました。
    飛鳥寺の白い芙蓉と澄んだ鐘の音を思い出しています。
      赤白と芙蓉の里に寄り添いて

    1. その後いくつか追加してみました。
      実際に目の当たりにすると、そのシチュエーションもふくめていろいろな構想が浮かんできます。
      ぜひ飛鳥にお出でください。

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