難題を楽しむ

この浦に嫁してこのかた磯竈
おうさつと読ませる浦の磯かまど
磯かまど磯着に魔除縫ふてあり
磯竈ウェットスーツの時代でも
家族より世代どうしに磯竈
磯竈編むも翁に限られて

本日の例会(欠席だが)の兼題の一つが「磯竈(いそかまど)」。

主宰の言うとおり現地を踏んで詠むというのが正統で、実際に取材に出かける人もいて先輩方は真剣に取り組んでおられるようだ。
一方の私はというと、三重の出身とは言え、未だに志摩に残る風習だときいても知らないものは知らない。去年のあまちゃんブームで海女を取り上げる番組も多かったようで、志摩の海女の独特の魔除け、「セーマン」「ドーマン」の判じ物めいた縫い付けのことを知ったのもそういう番組であったような気がする。

手抜きではあるが想像して作るのも一興という感覚でいくつか詠んでみた。

追)それにしても「竈」という字。ワープロだから書けるが、紙にとなると画数が多くて枠には収まりそうにない。さらに書こうにもまずはよく見ないと書けないわけで虫眼鏡は必定となる。ところが、こういうときこそスマートフォンなら簡単に字が拡大できるのがすこぶる便利だなあと思う。

“難題を楽しむ” への2件の返信

  1. 知識としてはあっても実際その場にいたことのない題だと想像力で詠むしかないですね。
    歳時記を読むとほとんど知らないことばかりで、なるほどなるほどと感心してしまいます。
    時代が変わり生活が変わると言葉も変わって、俳句だけに残って使われる読み方、言葉が多くなりそうな気がします。
    今度は難題に挑戦してみましょうかねえ。

    1. 先月の投句兼題が「雪女郎」でした。過去の話どころか、存在すらしなかったのを未だに季語としているのは面白いと思います。「こんなことはあるかも」というレベルで「創造」する楽しみがありますね。以来、古季語とされるものに抵抗がなくなったのも事実です。「難問を楽しむ」です。ぜひチャレンジしてみてください。
      その時代の人間になりきるのも面白いものですよ。

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