また読みたい本

愛読の書を開きをり西行忌

今日27日は旧暦2月16日で西行さんの忌日、月齢はと言うとうまい具合に15.3、いわゆる満月と重なった。

「願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃」の歌通り、今から813年前にみごと大往生。この朝なんとはなしに白州和子の「西行」を取り出してみた。
この文庫本は、引っ越しにあたってかなりの本を始末してきたのだが、またいつか読みたい一冊として残した数少ないものの一つである。考えてみれば持ってきた本というのは、一時期雑誌編集に関わった際に大きな影響を受けた先生方の著作が大半で、純文学性が高いものが多いのだが、エッセイ、紀行文など文章がすぐれていたり、文体が好きであったりしたものたちもいくつか手許に残った。言ってみれば美しくて、見事な日本語というのが好きなのであり、ましたこの歳にいたって世俗にまみれた言葉を書き連ねた本など読んだとて何の感興も得るものはなく、むしろそんなものを読んでいる暇はないと思うのだ。

自分の気に入ったものやこと、場所へだけ、喰う、見る、読む、行く。なんとぜいたくなことであろうか。

“また読みたい本” への6件の返信

  1. 今日が西行忌でしたか。花、春、望月、願った通りの大往生でしたのね。

    まこと、耳に痛いです。
    すぐ窓口を広げたがる、あちこち興味が飛ぶ、ノリがいい。
    従って物はたまる、整理がつかない、混乱に陥る。
    本当に気に入ったものを絞り込んでいく、この歳になれば大事なことですね。

    1. 覚えても覚えてもすぐ忘れてしまう。だから、何をやってもいいし、好きなものがあれば手を出せばよし。要するに、嫌いなものは嫌い。それでいいんじゃないですか?

  2. 西行の忌日でしたか。そうでしたね。如月が桜の季節と言われてもどうしてもピンと来ないのですが、西行の歌と今の満開を思うと納得しないわけにはいきませんね。

    白洲正子の「西行」ですか、シブイ本ですねぇ。私に古典への道を示してくれた一冊です。西行が伊勢にゆかり深いこともこの本で知りました。いいものはいいですよね。

    1. 季語にはごまんと「何とか忌」があってどれもピンとこないというのが実感ですが、さすがに西行さんというのはこの歌が強烈ですからすんなり俳句に詠めました。

      白洲夫婦が住んでいた武相荘というのが割と近くにあって、エッセイにも近所近辺をとりあげたものがあったりしてよく読みました。近くには奈良町、三輪はじめヤマトに縁がある地名が多いと聞いてあらためてうなづいたのも彼女のエッセイからでした。
      白洲は能にも造詣が深く、どの本をとっても知性をくすぐられることが多いですね。

  3.  私は思い切りよく物を捨てる方ですが、本だけは例外です。あちらこちらいっぱい溢れていて、あったなあと思っても探すのが大変です。 同じ本を二度買ったこともあります。最近はその都度、図書館を利用しているので助かります。 これからは何回も読む本だけを買って手元に置きたいと思っています。 西行、心惹かれる人物です。

    1. 引越の際本箱2棹捨ててきて、図書館だけで十分、もう買うまいと思っていたのですがやはり俳句関係のものが増えてきて。収納スペースに頭痛めてます。
      かなり抑え気味にしなければモノというのは増殖してしまうので大変です。

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