目も鼻も縞もそのまま蛇の衣
それはシマヘビの脱皮した後の皮だった。
歩く会のエコロジストでもある講師が、ポリ袋に空気を入れ膨らませたものに蛇の皮を大事そうにしまい込んだ。子供たち相手の自然観察会で見せてやるんだという。
たしかに、町の子にとっては蛇の皮など見る機会は滅多にないだろうし、生き物の「脱皮」という生態を知るいい教材になるだろう。
我々の世代なら、かつて、財布に入れておけばお金が増えるとか言ってしまい込んだ経験のある人が多いかもしれない。
だが、全身が完全に残った蛇殻を見るのは久しぶりだった。