水溜まりの光り

庭潦参道走る風巻かな

真砂の参道に水溜まりがいくつもできている。

激しい風雨に見舞われた吟行地橿原神宮で、水溜まりに細波が走っていたが、やがて雨がすうっと引き青空が見えてくると、その水面が一瞬にしてまぶしいほどの光りをみせはじめた。まさに淑気あふれる光りで、建国の祖神を褒めたたえるかのようである。

建国の地

コンビニの傘裏返るしまきかな

冬の嵐である。

家を出るときは晴れがのぞいている空だったが、今日の吟行地橿原に近づくにつれ雲行きが怪しくなってきた。例によって葛城山に黒い雲がかかり盆地南部はまぎれもなく雨である。
突風も吹いて、吟行気分はどっかへ吹っ飛びそうになる。今日の天気を甘く見て傘も持ってこなかったので、コンビニを何とかみつけ間に合わせた。
すでに9日となって寒に入っていることもあり気分は新年ではないが、橿原神宮なのでここは初詣風景として詠んでも問題はなさそうである。
長い参道をぬけて拝殿近くとなってようやく青空も見えてきた。畝傍山の稜線がくっきり浮かび、正殿の千木,鰹木が燦々と輝いて神々しい。

雨去つて畝傍日当たる初景色