二人して朝のうつつのちちろかな
朝方夢うつつのなかでコオロギの涼しい声を聞いた。
妻もまた同じ鳴き声を聞いたらしく、朝の最初の言葉が「鳴いてたね」。
夜、風呂に入っても涼しいコオロギの声が聞こえてきた。
こんな佳句がありました。
一心に鳴くこほろぎと一つ風呂 眞下喜太郞
昔の木桶の風呂を思い起こします。
芭蕉の親不知子不知の句「一家に遊女も寝たり萩と月」を思い浮かべますが、これを真似て、
一家に枕並べてちちろ聞く
昼はいつ終わるかと分からない熱波だが、夜は徐々に秋の色を見せ始めている。