晩夏の思い

幾代もの卵塔並みてつくつくし

古刹の裏山は見事な無縫塔が立ち並んでいる。

沙弥から歴代住職の墓地だと聞かされる。
その裏山の裾にはこれまた立派な檀家の家墓が並んでいる。
きれいに掃き清められた墓地にはツクツクボウシが限りなく鳴き続け、間もなく盆を迎えようという晩夏の思いをことさら募らせるのであった。
橘寺の夏のことである。