枯色の背なにおんぶのばったかな
2センチにも満たないバッタがさらに小さいばったを負ったまま動かない。
バッタというとあのキチキチ言いながら飛ぶのをイメージするだろうが、わが庭にいるのはほとんどこのような小さなバッタである。あのサイズで交尾するくらいだから、もうこれ以上は大きくはならない種類なんだろう。
これらのバッタはなぜか水栓の周りにいることが多く、朝はいつもご対面。かといって、水が身にかかるのは嫌いらしく飛沫がかかるとさっと逃げてゆく。
人間にとっては一メートル四方、立方に過ぎない狭い空間だが、彼らにとってはきっと広大な空間としてどこでも好きなように生きていい空間にちがいない。