巻き巻き

もじずりの三寸五分に立ちにけり
もじずりの低きにありて宙をもむ
もじずりの丈低けれど宙をもむ
予期せざるところに飛びしねじり花
ここかしこ文字摺草の飛びにけり
文字摺の花咲かざれば気づくなし

東京から持ってきた捩花に元気がない。

去年までは花壇に降ろしていたのがかろうじて花をつけてくれていたのに、今年は花茎も伸ばさずそのまま枯れてしまいそうで諦めるしかないのかとがっかりしていた。
文字摺草は花が咲かなかればそこにあると気づかないほど地味な草だが、これでも立派にランの仲間である。草引きで随分抜かれてしまったものがあったろうが、辛うじて生き残ったものがあるとそれがいつの間にか花茎をするすると伸ばして花を咲かせるのだ。
今日発見したのも駐車場のコンクリートの狭間に窮屈そうに、しかし太くてしっかりした花茎をつけている。周りを探してみるといるいる4本も育っているのだった。

右巻き、左巻きが半ばしているという話だが、この4本はみな右巻きだった。