荒鋤の高き低きを下萌ゆる
鋤田の一面を草が覆う。
畑に目をやればホトケノザ、イヌフグリも花を開き、野には春がいっせいに芽吹きだしている。
昨日、今日の雨はさらに春前線を北に押し上げているに違いない。
家に閉じこめられてやることもなくて退屈だが、二三日前に仕込んだ堆肥の発酵が始まるのを確認できたし、思ったより早くネギの種が発根したのを苗床に移すことができたのでよしとすべきか。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
荒鋤の高き低きを下萌ゆる
鋤田の一面を草が覆う。
畑に目をやればホトケノザ、イヌフグリも花を開き、野には春がいっせいに芽吹きだしている。
昨日、今日の雨はさらに春前線を北に押し上げているに違いない。
家に閉じこめられてやることもなくて退屈だが、二三日前に仕込んだ堆肥の発酵が始まるのを確認できたし、思ったより早くネギの種が発根したのを苗床に移すことができたのでよしとすべきか。
下萌や頁つきたる鳥日誌
後円まだ前方墳の下萌ゆる
今日は久しぶりに気温10度を超えた。
そのせいだろうか、ここんところ渋っていたいろんな鳥さんたちの姿をじっくり観察できた。
とくにルリビタキ(♀)は今冬初めてで、一回しか見てなかったトラツグミを四カ所で目撃するなど収穫は大。
句帖の端っこに今日の鳥をメモするのだが、今日は二桁はいけて、久しぶりの鳥日和。
足許はというと、枯れきった墳丘の裾には点々と下草が芽生えてきたといおうか、今まで寒さで葉が地面に這うように低く臥していたのが、むっくり顔を起こし始めたような気がする。
下萌の見つめられては丈伸ばす
下萌やあれやこれやの急きたてる
冬越の草に隠れて下萌ゆる
殊の外浄水場に下萌ゆる
気がつくと枯芝に青いものが顔を出している。
小さいうちに芽を摘んでおかねば、あとでその何倍も苦労することは分かっているのだが、つい、手の届くだけの範囲をちょいちょいと摘まむだけに終わってしまう。草木がいったん動き出したら、呼応して人間もやることがいっぱいあるものだ。
天気予報とも相談して、おおまかな工程表を作らねばならない。
下萌やボール飛び交ふ膝枕
馬鹿陽気である。
今まで霜に痛めつけられていた緑が、幾分鮮やかさを帯びてきたようである。
めいめいフリスビーや、サッカー、自転車などに興じる家族、グループがあれば、そんな周囲など目に入らないと見える膝枕のカップルも。
枯れた芝生の芽生えはまだまだだが、雑草類はたくましく頭をもたげてきた。
河口から二十八キロ下萌ゆる
大和川河口からの距離。
家から坂を10分くらい下りて行くと大和川に突き当たる。その辺りが28キロだという指標が立っている。前後2キロ近くが広い河川敷になっていて、増水時にはもちろん冠水してしまうのだが、雑草たちはしぶとい。たしかな下萌が見られる。
河川敷には信貴山から吹き下ろす風がまだまだ冷たいが、早春の風であるのは間違いない。
幹だけの街路樹なれど下萌ゆる
雪はすっかり消えた。
暖かい日に誘われて、當麻の動物霊園まで出かけた。2年前雪のちらつく寒い日に亡くなった子の三回忌の念仏を唱えてもらうためだ。竹内街道からちょっと外れた小高いところにあるので、所々にまだ雪が残ってはいるがどんどん解けている、そんな陽気の日で車の中は暑いくらい。
行ってみると思ったより高度があるらしく、畝傍が低く見えた。だが、雪の解けた蒸気がどんどん上がっているようで、最近は高見、大峯の雪の姿がよく見えていたのが今日は見渡せない。
今週の半ばにはまた天気が崩れるというが、こんな一進一退を繰り返しやがて本格的な春はやって来るのだろう。
下萌や三時限目の始まりぬ
河川敷を歩いていたら予鈴?が聞こえてきた。
小学校と中学校が隣り合ってるのでどちらからかは分からないが、どうやら学校の予鈴らしい。この予鈴というのはどこでもたいていはあのビッグベンを模したメロディなのだが、ここでもやはりそうだ。
ここんところ雨や雪がよく降るので河川敷の足元はおぼつかないが、姫踊り子草、仏の座、紫鷺苔などはすでに花芽を膨らませている。