夏のトリコロール

シーサーが守る家の垣の仏桑花
貝殻の道は海へと仏桑花
空の青珊瑚の白や仏桑花

「仏桑花」は「ハイビスカス」の傍題。下五に据えるにはこちらのほうが良さそうである。

ハイビスカスの鉢は多く販売されるが、この花だけは南の島でないと絵にならない。
縁日などで買ってきても、あの大降りで派手やかな風情というのは、家の小さなスペースにはどう見ても似合わないのだ。
珊瑚や貝殻を割砕いた白い道が島を縦横に走り、観光用の牛車がのんびりと進む。その両脇の垣はハイビスカスで覆われていて、道路の白と花の赤と空の青が作り出す強烈なコントラストがあってこそ生きてくるのだ。