紙情報

そぼたるる夕刊受くる冬の雨

天気が悪くても新聞が濡れて届くことがなくなった。

配る前の一手間かけたビニールのおかげである。
と言っても配達する人にとっては、この手間がふえることは大変だろうし、まして冬の雨となればちぢこまった体で滑りやすい路面を注意深く走り、一軒一軒配ってまわるのも難儀であろう。
最近はインターネットの普及などもあって、新聞を読まなくなった人が増えているという。
新聞を読まない層が自党の支持層であると放言する与党幹部もいて、たしかに数年にわたる巧妙な印象操作作戦がここかしこに仕掛けられているのは間違いなかろう。ネットというのはご親切にも見たい記事ばかり推薦してくれる仕掛けになってるようで、これがいいか悪いか、得る情報には偏りが生じがちである。
心に余裕をもって紙面を開けば、いろんな分野の思いもかけない記事に啓発、触発されることも多く、偏りがちな思考にいい刺激となってくれるものだ。
なんでもかでもペーパーレス、キャッシュレスの時代だが、とりわけ紙情報はなくしてはならない貴重な情報資源である。各紙も本来の社会の木鐸となるべく、努力を惜しまないでほしいと願う。