采女

衣掛の 柳は冬の 籠もりかな

所用があったついでに興福寺から猿沢の池あたりを散策した。

吾妹子が衣掛け柳みまくほり池をめぐりぬ傘さしながら・・・・・会津八一

猿沢の池から興福寺へ上がる52段の「修行の階段」際にある会津八一の歌碑。
「采女が帝の寵愛を失うのをはかなんで入水したとき衣を掛けた柳を見たくて池をめぐったよ、傘をさしながら」

枕草子の「池は」の段にもとりあげられている歌二首。
「我妹子が 寝くたれ髪を猿沢の 池の玉藻と見るぞかなしき」 (柿本人麿)
「猿沢の池もつらしな我妹子が 玉藻かつかば 水もひなまし」 (平城帝)


久しぶりに穏やかな奈良地方。軽鴨が2羽、軌跡を描いている。