冬萌や胸を反らせて歩みけり
桜や楓の枝など確かめながら歩いているが、膨らむのは当分先になりそうである。
ただ、その中に微かに芽を膨らませ始めたのを見ることができた。木の名前は知らないがやや黄味がかかった小さめの芽だ。もうすぐ開花するのではないかと毎日その場所を通るのが楽しみだ。
寒いからといって首をすぼめていては冬萌には気づくことができない。顔を上げて歩こうと思う。
寒の極みの時期だが、七十二候で20〜24日は「款冬華」(ふきのはなさく)である。雪の間から顔を見せる蕗の薹をみたことがあるので、決して誇張ではないと思う。春はもう、すぐそこに来ているのだから。