一見の価値

夕月の刃蒼みてすさまじき

びっくりするほど鋭い。

触れれば指が切れるような凄味を帯びている。
夜になるとやや黄味がかかってやわらかい月に戻るのだが、この時期の夕月はもう冬の冴えの様相を見せ始める。
明後日が後の月で旧暦九月十三日、十三夜である。今宵は十一夜であるが十分に美しい。
しばらく立ち止まっていると、露がまといつきそうなほど夜は冷えてきている。
長時間は見てられないが、十三夜は台風の影響があるかもしれないので一見の価値のある今夜の月である。