名乗りはまだか

初雲雀揚げると見えて降りにけり
分譲地為歩きたまひ初雲雀(ぶんじょうちしありきたまいはつひばり)

玄関を開けて外に出た途端、雲雀の囀りが聞こえた。

顔を上げて場所を確認するまもなく、ひらりと降りてしまう。あとは、まだ裸同然の更地を逍遥するかのように歩いている。まだ気温5度の朝。高く舞い上がって名乗りを上げるほどの気分には遠いのかもしれない。

健脚の人

早春の平城京跡

早春の平城京跡

古都の空高みで名乗る初雲雀

すごい人もいるもんだ。

天気図から今日は風が吹かないサイクリング日和と読んだ。
たしかに風は終日吹かなかったが、朝方の快晴はどこへやら、日中はほとんど曇り空で気温もあまり上がらない。
それでも、富雄川に次ぎ秋篠川に沿って薬師池近くの定番大池を目指す。

大池からの薬師寺。東塔が改修中で素屋根をかけられ大囲いされている。翌6日には100%覆われたというから南側部分をチラ見できただけラッキーかも。

ここで自転車で来られた同年代と思われるFさんと親しくなり雑談したが、なんとFさんははるばる大阪の堺から奈良各地を巡るサイクリストの常連、往復120キロをあの県境の峠をなんなく越えて来られたのだ。特に大池は薬師寺の改修中も毎回必ず来るようにしておられるという。完成が7年後、そのときにも元気に自転車には乗っていたいという希望は私も同様である。
ジャンボな「つぶつぶ大仏あんパン」。半分でもこの大きさだ。

唐招提寺を見て平城京跡に向かっていると進行方向から来るFさんと再開。
あのあと奈良市内の東大寺近くまで行き、お土産に買ってきたというジャンボあんパンをひとつ頂いた。
その名も「つぶつぶ大仏あんパン」。重さ300グラム、ずっしと持ち重りのするあんパンは普通の3~4倍くらいあろうか。妻と二人で半分食べてしまった写真を見れば分かるが、重さの大半はその粒あんにある。
あまりに旨いので全部食べてもよかったのだが、夕食前だったので残りは明日。

ああ、そうそう。暦で春とはいえ、底冷え盆地の奈良はまだまだ遠い。
それなのに、広い平城京跡で雲雀が高らかに鳴いていたのだ。
雲雀といえば麦畑が象徴するように、春とはいっても初夏に近いイメージだったからおったまげてしまうのだった。

追)富雄川でも秋篠川でも大好きなカイツブリ君たちを間近に見ることができましたよ。300ミリくらいの望遠レンズが欲しくなりました(笑)