昼寝を邪魔する

散々に猫いたぶりて夏の蝶

家猫どもの大騒動である。

暑くなったので窓を開け放つ機会が増え、それにつれ猫どもも庭に近くて風の通りがいいところがお気に入りのようである。
昼寝をしているかと思うと、急に起き上がっては視線を右往左往させているのは蝶が舞い込んできたときだ。とりわけ、揚羽蝶のように大型でゆっくり翔ぶのが来ているときは、目が輝いてきて声まであげている。
蝶が窓をかすめようものなら大変である。今にも飛びかからんとするので、網戸が破れてしまうんではないかとハラハラさせられてしまう。
いっとき猫たちを興奮させた蝶が飛び去っていくと、いつのまにか元の場所で昼寝(仮眠?)している兄弟たちである。

昆虫博物館

昆虫博物館の放蝶温室で

時なしの園に夏蝶ひらりかな

橿原市昆虫博物館の放蝶温室はまさにパラダイスである。

昆虫博物館の放蝶温室で

琉球列島の気温に調整された温室では、ハイビスカスなどの亜熱帯・熱帯植物が茂り、大蝶・オオゴマダラなどの南国の蝶が年間を通して優雅に舞う。
このオオゴマダラというのは羽を広げると幅10センチくらい。この大きな蝶がグライダーのようにゆっくり滑空するかと思えば、羽をゆっくり羽ばたかせながら舞うように飛んだりする。このように悠然とした行動には理由があって、この蝶の幼虫はホウライカガミという毒のある植物の葉を好んで食べ、この毒が成虫になっても体内に残存するので、襲う天敵がいないからなんだそうである。

これら蝶の餌となる植物の栽培温室や、卵からサナギまでを飼育する裏方の仕事場も見学することができたのは、「鎮守の森を観にいこうかい」の行事ならではのことで、大変有難い企画であった。