夜話やそんなこと俺言ったっけ
いまどき炉端談義などすることはないだろう。
これも古い季語になりつつあると言えるが、炉端でなくとも状景を変えれば夜遅くまで話し込むということはある。
たとえば電話での長話などがそうである。すっかりリラックスしながら話すうちに、古いこととなると自分はすっかり忘れていても、相手はしっかり覚えているということはよくあることである。
「そんなこと言ったっけ」「そんなことあったっけ」と返しながら、かすかな当時の記憶をたどるのである。
いずれにしても、自分も相手も傷つくような話ではないのが救いである。