グレ竿

大北風に大青竹の堪へけり
北風や鵯棒のごと走る

葉をつけたものみながうるさく騒ぐ。

昨日はそんな一日だった。
孟宗の太竹も、まるでグレをかけた釣り竿のように大きくしなっては耐えている。
しかし、足下の竹林の中はと言えば意外に静かで、木洩れ日がさしているところなどは明るく温かそうな気もして、竹林というのは思いの外懐が深いように思えてきた。
いっぽうの、枯れた姿をさらしている落葉樹などは、骨まで軋むかと思えば、さらにギィーギィーと鳴きそのまま折れてしまいかねない音さえして、竹が柔ならば木々は剛という対比をまざまざと実感するできるのだった。

「北風」が季語だが、文字通り「きたかぜ」と読んでいいし、俳句ではよく「きた」とも読まれる。掲句では「おおぎた」と読む。
これは、「東風(こち)」、「西風(にし)」、「南風(みなみ、はえ)」と同じ用法である。