地球は生きている

地は震へ沖は遠のき寒昴

この広い宇宙のなかで土がある地球は極めてまれな星であるという。

植物が海から陸上に上がることにより、やがて動物も誕生したのであるが、土は最初の植物「地衣類」が光合成をし菌類を育て、これらがやがて多様な植物を生み長い時間をかけて有機物を地中に蓄えたことによって生まれたのだという。
一般の星の表面はせいぜいが岩石だが、地球はごく薄い土の層におおわれている特殊な星と言える。1センチの土の厚みを作るのに100年と言われるほど気の遠くなるような話しであるが。
その大地の星はコアのマントルの働きによってプレートが動くなど常に変化しており、地殼の圧縮と引っ張りの作用が限界に達するとおおきな地殼変動をもたらす。地震はその微少なもののひとつに過ぎないが、それでも一帯の大地をひっくり返す恐ろしい力をもつ。
能登半島は地下に断層がもぐり込む形となっており、このたび逆断層型といわれる地震があって半島を中心としたエリアが隆起した。
昔「地球は生きている」というような映画を学校から見に行ったような記憶があるが、まさに地球は生きものなのである。
暮らしの基盤を置いている大地であるが、どんなに強固な地盤改良を行おうとも盤石とは言えない。とくに日本は地震国ナンバー4であるが、狭い土地に人口が密集しているという点でそれがもたらす人的あるいは経済的な被害は甚大なものがある。

大地が常に震えている冬の真上には昴が燦然とまたたいている。

400光年はるか先の昴

傾く

大四角形たどりおのずと寒昴

満月が上がる前に早くもオリオンが輝き、その肩にある昴も天上にある。

月の明るさに負けず冬の星がきれいだ。
この季節にしてはいくらか暖かい夜だから、しばらく空の星を眺め回す余裕がある。
午後八時になるともう中天にさしかかっていて、これから大きく西に傾いてゆくのだろう。

ランデブー

上弦のつかずはなれず寒昴

冬の星の代表はオリヲンだが、昴もまたいい。

高度はより高く、首を真上に伸ばさないと見えない。
この二三日は中天あたりで、ちょうど上弦の月と仲良くランデブーしているように見える。
凍星、寒星、荒星。
どれも冬の痛々しいほど怜悧な星の輝きを表している。

首が痛くなる

寒昴ひとはひとりでゆくものと

体が硬くなったものだ。

昴を探そうと空を仰いだら、相当身を反らさねば見えない。そのままの姿勢も長くはつづかず、何度もなんどもその在処を確かめた。
まず、オリオンを見つけ、左肩の延長線をたどってゆけわけだけど、ぼんやりあるのがようやくそれかと思うしかない。冬の空は澄んでいるのに、昴はぼんやりとした雲の塊のようにしか見えなくて、視力はなさけないくらい衰えたものだ。