篤信のひとびと

奉仕団軍手真白き寒露かな

境内を掃く音だけが聞こえる。

ボランティアが黙々と箒をもってきれいな掃き目をつけてゆく。
信心に篤いひとたちに話を聞けば、一様に「生かされている」ことのありがたさを言う。
おざなりの参拝しか知らないものには、ただ「ごくろうさま」と心の隅でねぎらうことしかできないが。

放射冷却

共稼ぎ世帯に火点す宵寒露

真っ暗だった共稼ぎ世帯の窓がぱあっと明るくなった。

先に帰宅した人が真っ先に洗濯物を取り込んでいる。屋根のあるサービスヤードだから夜露には当たらないが、地面はすでにしっとりと湿気を含んでいる。明日朝の予報では放射冷却現象で盆地は冷えこむと言っている。そうなるとあたり一面は露がのっているのだろう。