命を宿す

春の日を透かしあらはる隠れ沼

普通なら気づかない小さな沼が、その存在を訴えている。

いままで全く気づかなかったのに、枯れ草のすきまから眩しい光りを返しているのだ。
やがて草が茂ると再び見えなくなってしまうと思われ、束の間の景色に違いない。
見たところ、小鳥の水浴びも出来そうなくらい水量もありそうだし、生きものだって棲息しているに違いない。
思いもよらないところで小さな命が育っているのだ。