車内で

春装の吊革依らず読みふける

春服がまぶしい季節になった。

しかも、背筋が通り、その立ち居振る舞いが作法にかなっていればなおのことである。
和服ならば、この原則を外してしまうとすべて台無しにしてしまうほど難しいものだ。
用途、場に応じて自在に着こなすことも、大人の条件のひとつであろうか。

今どき、車内で文庫本など読む若人が少なくなって、ひさかたのシーンに和むことができた。