二番煎じとは言わせない

二番花のまされる月下美人かな
二人姉妹をる家の月下美人かな
月下美人けふのわざなしとげてより

ベランダなどに置いておくと、花を見逃すことがよくある。

翌朝に萎えた哀れな花を見ると、気の毒なことをしたなと思うのであるが、そうなると二番花だけは見逃さないぞと注意して見るようになる。
一般には、初物が重宝されて二番煎じは興趣がそがれるものだが、月下美人に限っては二番花のほうが負けていないこともある。二番花だからこそ、開き初めから翌朝の姿まで注意してじっくり見ることはよくあるものだ。
この見逃す理由というのを考えてみると、香りが強すぎることがある。そばに置くととても我慢できないくらい香りが強いので、どうしても鉢を遠ざけてしまう傾向にあるのだ。
毎朝の水やりは欠かせないが、梅雨だからと省いてしまう日も多く、急激に成長する花芽を見落としてしまうこともある。
花は声を掛けてやると、花のほうでちゃんと応えてくれるというから、毎日寸暇を惜しまぬよう気をつけてみよう。