菊仕舞

枯菊を焚いて平群の夕けぶり

風もなく煙りが山襞を埋めるように漂っている。

山に挟まれているので逃げ場のない煙がとどまっているのだ。
空はといえば久しぶりの大夕焼け。底は谷間特有の暗さがつのってきていて、幽玄な趣さえある平群の谷である。
平群町は小菊の産地。山が烟るのはおそらく山の菊畑を焼いているのだろうと思われる。田仕舞ならぬ菊仕舞である。