季節の色を食う

一見が坐る止まり木桜海老

随分昔のこと、駿河湾を臨む街に出張したことがあった。

季節もちょうど今時分であったろう。
夜の部の料理屋さんで、それはそれは新鮮な桜海老が出された記憶が残っているからである。
同席した人とか、店の名前は当然忘れているが、熱々の掻き揚げの見事な紅色は忘れられない。