有線放送

鮎の苔また攫はるる梅雨出水

大和川がまたあふれそうである。

こんな日に出歩きたくないが、医院への送迎で川に沿った国道を走らざるをえないのである。
いつもは低くゆったりと流れている川が、恐ろしいほどの高さに泥流がさかまいている。
国道沿いの店などは、入り口に土嚢を用意しているのなどは、いくども洪水に泣かされてきた知恵でもあろうか。
昨夜は街の有線で避難勧告の放送が何度か流れ、そのたびに目が覚めた。
ここは、川からは遠く水害の恐れは全くないのであるが、川に近く住む人たちの不安は想像にあまりある。

先日、苔の順調な生育を願う鮎師のことを書いたが、吉野川もまたいつもの清流が濁流に変わり果てているのだろう。