土竜さまお成りの径の梅雨茸
ピンポン玉より大きい。
円くて大きくて白い茸が土竜のトンネル線上に沿って点々と生えてきた。毎年ところどころ土が盛り上がり、土竜の通り道だとは分かっていたが、そのラインをなぞるように。
土竜のトンネルには茸を育てるような菌がきっとあるのにちがいない。適当な湿り気と空気があって茸のもととなる菌が生まれやすい環境がそこにあるのだから。
土竜いるところに蚯蚓あり。蚯蚓は土中の未分解な有機物を餌として、その糞が土を肥やす役割がある。蚯蚓によって生まれた肥えた土には多様な生物が生まれ、菌もそのうちのひとつ。その様々な菌のネットワークが植物の根とつながって地上の生態系も豊にする。腰を落として眺めていると、地中の中の営みが見えてくるような聞こえてくるような、そんな優しい気持ちに包まれる。