とち餅食いたい

橡の実を妻に見せんと保ち来たり

木の実はもう随分落ちている。

紅葉同然にいつもより早いのではないだろうか。
平地では橡の実などなかなか目にする機会がないのだが、よく散歩に行く馬見丘陵公園には正門から入ってすぐのところに見上げるような橡の木がある。ずっと上の方に実をつけていたので実のなる頃を楽しみにしていたのに、昨日はただの一個も見つからない。もう落ちてしまって誰かが拾ってゆかれたのかもしれない。
そんなことを考えていたら、本物ではないけど仲間の紅花橡の木もあったことを思い出したので、そちらに向かうとはたしてわずかばかり枝に残っているのがある。何とか背がとどきそうなので飛びついてみたら、もう落ちる寸前だったとみえ、うまいぐあいに拾うことができた。大きさは本物の半分もないくらいだが、十分に橡の実の貫禄をみせている。

夫婦そろってとち餅が大好きなので、話のネタにと持ち帰ることにした。

堅そうに見えて、意外に殻が柔らかいようで指でも厚い殻が簡単に割れる。中からは団栗そっくりの形をしたかわいいのが出てきたのも意外だった。