お奨めコース

櫨の実を食らふ鴉のまりにけり

南京櫨の白い実を夢中で四十雀の群れが啄んでいる。

烏がやってきて頭の上でおなじく実を啄みだすのも構わず一心不乱のようである。
何しろ蝋の原料にもなるのだから、脂部分が多くて食えないと思うのは人間だけで、鳥たちにとっては冬に供えての栄養になるのだろう。
奈良には南京櫨の木が多い。特に東大寺大仏殿裏の正倉院にいたるところには、遠目にも何本もの大樹が見事な紅葉を見せてくれる。葉が厚く、木全体が深紅に染まるとそれはもうたいそう立派な紅葉樹なのである。
銀杏黄葉がすばらしい大仏池といい、初冬は大仏殿裏手の散策は人も多くないし、おすすめの散策コースである。