痛い視線

子を守る水札の威嚇の痛いほど

団地の遊水地が子育て場になってるようだ。

水札は「けり」と読む。冬の渡り、田鳧とは違う。
この二三年あの独特の「ケリケリ」と甲高い声が近所でよく聞かれるようになって、どうやら道路から一段十メートルくらい深くて、半分ほどが草に覆われているプールのような空池を安全な場所と判断したようだ。
親は雛を散歩させるにも、甲高く鳴いて守っているので、付近の人はあの声に辟易しているかもしれないが、だれも除去しようという声は起きない。
通常は田や畑で子育てするのだが、天敵に対抗するには格好の場所なんだろう。
先日そばを通りかかったら、ネットフェンスの上からまるで威嚇するように咆えながらこちらを伺っている視線を感じた。頭にケリを入れられてはたまらないから興味ないそぶりでその場を去るのがやっとだった。