ワン・ピース

すいすいとみんなどこかへ水馬

ある者は後期高齢者を待たず。

またある者はなった途端に。
長い人生において交差した人が亡くなる。
学校で、あるいは会社で、あるいは私的な交流の集まりなど、ひとときともに濃密な時間を過ごした人々である。友とも、よく知っている知人とも言える彼らはおそらく不本意な形で死を迎える。
ピースの一コマ一コマが欠けてゆくスピードがだんだん増してきた。自分もそのようにいい歳なのだ。

水の春

あめんぼう影をまとへる水の暈

いったい、あめんぼうにどんな意志があるのだろうか。

あのいきあたりばったりの動きを見ているとそう思ってしまう。
水底には渦を巻いたようなニナの軌跡がびっしりと。
水の中、上にも春がきた。