灼け板に不覚とられて油虫
日中のバルコニーの熱さは半端じゃない。
うっかり裸足で歩こうものなら火傷をおいかねないほどだ。葭簀でもかけておけばいくぶんかは和らぐだろうが、そうたびたびは出ない場所なので放置したまま。それがかえって、忘れたころに再び熱い思いをするから厄介なのであるが。
越してきて十年以上も経つと、そんなバルコニーにも油虫、関東ではごきぶりだが、が侵入することもある。昨日などは床の熱さだろうか、やけにのろいのが這い回っているのでたやすくサンダルの底で打つことができた。ここで遭ったが百年目とばかり敵討ちできたわけだが、無様にひしゃがれた奴を見ているとそこまでする必要があったのかどうか、後になって少しばかり気が引けるのであった。