陵の濠

風なきに沼縄をゆらすもののあり

陵濠の主かぬなはを揺らしゆく

今日は佐紀路の佐紀盾列古墳群を巡って平城京・大極殿に至るコースを吟行するまほろば句会。

このあたりはNHK・BS3「火野正平 こころ旅」の奈良編初日の舞台であった。
最初に、近鉄・京都線の平城駅を降りて緑豊かな神功皇后陵、成務天皇陵、日葉酢媛命(ひばすひめのみこと、第11代垂仁天皇皇后)陵を巡ると、句材がありすぎて選択に困るほどだった。

成務天皇陵前の濠。蓴菜が一面に。

まずは成務天皇陵前の濠をびっしりと埋めていた蓴菜(じゅんさい)。古語では「沼縄」(ぬなわ)というらしい。花がまだ咲いてなくても葉の形からみて睡蓮の仲間だろうとは思っていたが、名を教えてもらって得心がいった。
その下を亀なのか、鯉などの魚なのか、姿は見えないが何かが葉の下をくぐるのだろう、葉がこちらからあちらへと順にゆっくりと揺れてゆく。