磯日和

磯日和独りほまちの海苔を掻く

磯うらら。

風の遮られた磯は一足早く春の気配。
潮の引いた磯には青いものがついて、これを目当てに来ている人がいる。
だだっ広い磯にただ独りしかいないので、磯がよけい大きく見えるし、人はよけい小さく見える。
用意した笊はごく小さなものだから、収入を得るための海苔掻きではあるまい。今夜の膳の汁にでも供するのだろうか。