熱を帯びたような

雨止んで黒さ増したる焼野かな

畦や草を焼いたりして春の訪れを待つ。

害虫を退治し、灰が有効な肥料ともなって実りをさらに確実にするための野良の仕事である。このあと、田や畑の土を起こしいよいよ今年の農の本格的な始まりとなる。

野焼きの畦が雨に濡れて、その黒さがましていた。濡れてはいても、この時期特有の、どこか熱を帯びたような春の色のようにも見えるのだが。