片栗の花に目覚める疎林かな
今日はZOOM句会の日。
兼題が「白魚、片栗の花」で、いずれも目にする機会の少ない季題に苦しんだ。
「片栗の花」ではかつて
かたかごのかんばせ風に伏せしまま
という自句があるが、自分ではなかなか気に入っている句の一つとなっている。
片栗粉はご存じの通り片栗の鱗茎から採取したもので、春の初めに他の植物にさきがけて芽を出して光を独り占めした光合成の賜物だが、花が終わると間もなく他の木や草の蔭に覆われて姿を消す。
そのわずかの期間、かぎられた時間の営みで命を繋いでいることを思うと、さらに愛しい存在となる。
片栗の花が咲けば、森の春が始まるのである。