察知

狂ひ咲くならひとなりし雪柳

毎年今頃になると庭の雪柳が帰り花を見せるようになった。

本来なら枯れかかっていて、冬の切り詰めをまつばかりであるのに、葉が落ちないのだ。
相当場所を取ることもあり、この冬はもう抜いてしまおうと思っていたので、それを察知してなのかどうか。

冬隣り

くちなしの白の真澄の狂ひ咲

秋の色が満ちた公園の生け垣に純白の花をつけている。

こくちなしの花だ。
葉は青々としたままだからよけいにその白さが際だつ。
花も狂い咲けば、ただ咲くことだけに専念するのだろうか、よこしまな色など見せずその純潔をさらに極めようとしているようだ。
今は雑木の紅葉がきれいだ。とりわけて、欅の黄葉が素晴らしかった。少しの風でもさらさら散ってをり、やがて分厚い落葉の絨毯になるのが目に見えるようだ。
平地のモミジは始まったばかりという感じで、あと一、二週間で燃えるように紅くなるものと思える。

今日は朝方は曇っていたが、午後からは晴れて暖かい小春日和となった。