玉章や藪にくぐもる水の音
秋のものもあれば春のものもある。
秋の赤のままに混じって春のナズナの花、はこべがもう咲いている。
今日はちょっと足を伸ばし、自宅裏の斜面に広がる葡萄畑を縫って信貴山雄岳へのハイキングコースのとっかかりを探すプチ旅。
蛍がとぶという信貴川にそって尾根へ出、そこから雄岳へ出られると菜園オーナーから聞いたので途中までいってみようと思った。
葡萄畑は思ったより傾斜があって広い。収穫後の剪定はすでに終わっていて、今は来年に備えての作業のようである。
信貴川は短い距離を一気に大和川に下るので、深い谷をうがち流れも早い。足もとからは落ちてゆく水の音が聞こえるのだが、篠竹の藪にはばまれて見えない。それら冬に備えて葉を落としたり枯れかかっていくなかに、真っ赤な玉章(烏瓜の別名)がからんでいる。灰色がかったまわりのなかで、まるでそこだけ赤い色がついたパートカラーのような不思議な感覚だ。
もう少し地図を調べて何年ぶりかで御鉢堂がある雄岳まで行ってみようと思う。今日はその小手調べだが、腰の方は思ったよりいいようでうまくいくかもしれないと思った。