白鳳宮址の発掘現場

秋暑なほ発掘の手の休むなき

藤原京、本薬師寺吟行の日。

台風の影響だろうか、非常に蒸し暑いなかを、あの広大な宮址を北から南へ抜け、休田を利用した布袋葵に囲まれる本薬師寺を経由し句会場まで徒歩で通すわけだから、誰にもきつい吟行である。
90歳を含む高齢化集団にもかかわらず、誰一人落伍者なく無事句会が終了できたのは奇跡かもしれない。吟行で鍛えた健脚がものを言ったわけである。

草原だけがのこるだだっ広い宮址の大極殿南側の一画で、この暑さにもかかわらず黙々と背の高さほどにまで掘り下げて発掘作業を続けている一団がいた。
奈良文化財研究所の人たちである。汗みどろになりながらも、その手は止まらない。

これで10月か

バス停で木陰求むる秋暑かな

久しぶりにバスに乗った。
ただ、10月も半ばを過ぎてなお、バス停で待つ間の日差しは強い。
思わず身をよじるように陰のほうに避けた。

視界をすっきりと

老眼の進みしめがね秋暑かな

いつも安物のサングラスをかけてるものだから、娘が自転車用サングラスをプレゼントしてくれた。ところが、いざ検眼となって驚いた。
近眼の度合いがほとんど改善し、かわりに乱視が進んでるという。
近眼が改善しているというのは、日常ほとんどメガネをかけないで済んでるからなんとなく実感していたものの、それは実は加齢によるものだと聞いてちょっと複雑なものが。
今日、車専用となった感があるメガネのレンズの方も交換してもらうことにした。