あふれる

今号が終の遺稿の秋淋し

新会報が届いた。

すでに鬼籍にはいられた先師を囲む会の、年一回の近況報告をかねた会報だ。
20年あまり中断していたが、幹事のお声掛かりがあって再開したばかりの初号がTさんの最後の遺稿となった。
先週亡くなったTさんの稿のどこを見ても、病や死を感じさせるものは微塵もない。
相変わらず、論理構成が整然としたなかにもユーモア、エスプリに効いたエッセイである。
入稿が8月1日とあるので、そのときには健康であられたのだろうか。
それだけに悲しみはよけいにあふれてくるのだ。