正暦寺

笹鳴きの案内に従ふ山路かな

正暦寺(しょうりゃくじ)の秘仏薬師如来さんに会いに行ってきた。

駐車場が狭いとあらかじめ聞いていたので、電車、バスでと出かけたはいいが。。。。
最寄りのバス停からは徒歩30分以上。ま、その程度なら全然問題ない。

しかし、しかしだ。バスの便がそもそもないのだ。バス停に行ってみると次のバスまで2時間ほど。途方にくれていたら、親切なご婦人が少々歩く覚悟なら近くまでのバスがもうすぐ来るよと教えてくれた。終点からひたすら東へ歩けばたどり着けるからと頼もしいことを仰る。おまけに終点までご一緒で、降りた後も行くべき道をしっかり示していただいたので勇気百倍。おかげで1時間少々で山門に辿り着くことができた。
途中「きりきり」とメジロは鳴くし、「ちゃっちゃっ」と笹鳴きの声。猪垣を張り巡らした里をのんびりと眺めながら目的地までのどかな道中でした。

おくどさん

笹鳴きの導くままに宮参り

自転車ではなく今日も散歩が続く。

王寺側の大和川堤防を歩いていたら、こんもりした森の中を移動していく笹鳴きがある。
声に誘われ森の入り口に廻ったらそこは式内久度神社とあった。

調べてみると八世紀には既にあったようだが起源は定かではなく、平安京移転の際平野神社に移されたという。
関西で「おくどさん」というように、竈の神様。

ただ、どう考えても腑に落ちない点がある。
というのは、このあたり王寺駅を中心とする一帯は三方の東から北、西へと大きく迂回する大和川に囲まれており、古代には洪水の度に陥没してしまうような低地にあるからだ。まして堤防際の、つまりかつては河原の延長のようなところに竈を祀る社を置くとは到底思えない。
どこか謎めいている神社ではある。