紅葉散るどこかゆかしき山桜
花が散るのも優雅だが、紅葉した葉が散るのも風情がある。
風がほとんどない日だったせいもあるが、ちらほらとゆったり落葉するとき花が散るときと同じようなゆっくりとした時間が流れる。
染井吉野は堤とか街路樹など苛酷な環境に植えられることが多いので葉が痛みやすいが、雑木山で競争を耐え抜いて育った山桜の健康な葉が見事に染まって周りの落ち葉とは一線を画すような美しさ。
今年は櫟の黄葉が見事だと書いたが、櫟が落ちるときはもう半ば枯れているのに対し、山桜の落ち葉はまだしっとりとした質感を帯びているのだ。